“The real problem with anonymity” には “The banal anonymity of evil” というサブタイトル（？）が付いている。おそらくこれが「凡庸な悪」を指している？

でも原文にも訳文にも「凡庸（banal）」にかかる部分が見当たらない。 ...という指摘

「凡庸」について言及が見当たらなかったような……
https://bsky.app/profile/ohmitakaharu.bsky.social/post/3kto2fzn27y2x

言われて初めて気づくとか orz

で，同じかたから

ザッカーバーグとマネージャーたちの関係を、ヒトラーとアイヒマンになぞらえたんでしょうか。でも、そうやって整理しちゃっていいものか……
https://bsky.app/profile/ohmitakaharu.bsky.social/post/3ktohvfmvdh25

という言及があってようやく気が付いた。「エルサレムのアイヒマン」か！言われて初めて気づくとか orz

原著者のコリイ・ドクトロウがそういうつもりで “The banal anonymity of evil” というサブタイトルを付けたかどうかは分からないが，少なくとも翻訳者は明確にこれを意識してるよな。

とはいえ，ハンナ・アーレントの著書はちゃんと読んでないんだよな。 Kindle 版があるみたいだし，この際だからちゃんと読んでみるかな。

Amazon.co.jp: エルサレムのアイヒマン新版――悪の陳腐さについての報告 eBook : ハンナ・アーレント, 大久保和郎: 本

「悪の陳腐さ」は “Banality of Evil” の翻訳みたいだが，これに合わせるなら “The banal anonymity of evil” は「悪の陳腐な匿名性」とか（笑）翻訳は難しい。

「エルサレムのアイヒマン」の解説記事を見つけた。

『エルサレムのアイヒマン』とは｜アーレントの議論をわかりやすく解説｜リベラルアーツガイド

まぁ，でも，「匿名性がもたらす“凡庸な悪”」が全体主義的なニュアンスを帯びるのは拙いんだろうな。それでも，全体主義が独裁者によってもたらされただけではなく大衆による大衆の扇動と言える側面もあるように，「メタクソ化（enshittification）」も特定の「誰か」だけによってもたらされたものではない，と考えるのは面白いかもしれない。

「匿名性がもたらす“凡庸な悪”」の「凡庸」とは